スタッフブログ木曜日担当の眉毛おじさんこと竹村です。
前回の続き。
バブル崩壊後、景気浮揚策として、公共事業による建設投資が盛んに行われましたが、その効果も薄れ、いよいよ「建設冬の時代」と呼ばれる長い不況に建設業界は入りました。
大手建設業者の倒産、銀行の債権放棄、建設業の株価が100円を切る相場になるなど、暗い話題が業界を覆っていました。
業績が芳しくなくなると、それまで表面化しなかった「怨嗟」や「対立」が表面化します。
どういうことかというと、それまで好調だった部署の業績が振るわなくなったり、利益が上がらない部署があったりすると、その部署に業績不振の原因を擦り付ける、いわば「スケープゴート」を探そうとしだします。
それが営業だったり、工事の部門だったり、事務部門だったり。その時によって攻撃対象は変わりますが、「内部に原因を見つけ出そうとする」ことに変わりはありません。
私はその集団行動に、常に違和感がありました。
なぜならば、どんなに問題を追及して明らかにしても、「売り上げは上がらない」ですし、「利益も出ない」からです。
「なぜ業績不振なのか」ということについては、不景気や競争激化などの外部要因も大きく、問題を洗い出して一つ一つを解決していったころには別の問題が出てくるという、もぐらたたきになってしまいます。
売上を上げるにしろ利益を上げるにしろ、相手、つまり得意先があって初めて成り立つものです。
「どうやったら売り上げが上がるか」「どうしたら利益が出るか」にフォーカスし、行動しなければどうしようもないのです。
つまり、「敵は外にいる」のです。目を外に向けることが何より大切です。
結局、内部の問題追及は、結論が出ないまま業績が回復すると嘘のようになくなり、また業績不振になると湧き出してきました。
どういう状態が理想かを描き、その理想の状態に向かって一歩進むにはどういう行動をすればいいか考え実行すること。
これを「解決志向アプローチ(Solution Focused Approach)」といいます。
業績が悪い時こそ、解決志向アプローチで臨むことで社員の士気が上がります。
しかし、それに気づいたのはそれからだいぶ経ってのことでした。
さて、建設不況のあおりは、新卒採用にも影響してきました。
経営幹部の会議が終わって、Y専務から突然、
「来年の事務系新卒はなしだ。技術系も半減」とのお達しが。
次回に続く。