スタッフブログ木曜日担当の眉毛おじさんこと竹村です。
前回の続き
難関校の学生の採用が順調に進み、私は「新任採用担当者の驕り病」に罹りました。
どういう病気か解説すると、
「たかだか数歳しか離れていない学生に対し、上から目線で社会の厳しさを教えたがる病気」
「自分は人を見る目があると思い込み、評価的態度で学生を見るようになる病気」
「自分より優れているところ、自分の持っていないものを持っている学生をすごい学生だと思ってしまう病気」
でしょうか。
この病気に気づいたのはそれから5年たってから。それに苦しんだことについては、また後日お話しします。
さて、事務系に優秀な若手社員が活躍しだすと、技術系の幹部が黙っていません。
「技術系も優秀な社員を採用しろ」と号令がかかりました。
それまで会社にいなかったタイプの人材が入って、組織が活性化しているのを見たからでしょう。
それまでも毎年10人前後の技術系新卒社員を採用してきましたが、ほとんどが知己のある教授からの推薦や学校推薦の学生でした。また大半の教授は研究室の成績順に大企業から推薦を出していきます。当社に推薦する学生は教授の頭の中で決まります。過去推薦した学生に似た学生を選んで会社に送り込んできました。
そのため、技術系の新卒社員は今まで採用した学生に似通ってしまい、よく言えば安全な、悪く言えば刺激の少ない状態でした。
彼らが会社で活躍していないわけではありません。新入社員にあるべき「新しい風」を幹部は吹かせてほしかったのだと思います。
今までのような採用活動を続けていては、新しい風を吹かせる新入社員が採用できない。そう思った私は、上司と相談し、新卒採用媒体「就職ガイド」に採用情報を掲載することにしました。
まだ、インターネットもナビサイトもない時代です。
就職活動をする学生は、リクルートなどから送られてくる分厚い企業紹介誌を見て、資料請求はがきを書いたり、企業に電話したりして採用情報を取得するのが一般的でした。
掲載する文章を書いては直し、直しては上司に見てもらい、さらに直して吟味して吟味しました。
原稿を送り、掲載紙の見本が届きました。
しかし、学生からのはがきや電話が入らない日が続きました。
そこに1本の電話が鳴りました。就職ガイドを見た学生からの応募でした。
上司ともども、ほっと胸をなでおろしました。
企業は費用対効果を何よりも大事にしますので。
その後もポツポツと学生からの連絡が入り、会社説明、現場見学と忙しくなった矢先、とうとう建設業にもバブル崩壊の影響が出てきました。
「建設冬の時代」の始まりです。
次回に続く。