スタッフブログ木曜日担当の眉毛おじさんこと竹村です。
前回の続き。
とうとう眉毛おじさんの回顧録もPart30まで来ました。
さて、「来年の事務系新卒はなし。技術系も半減」
と、上司から言われたとき、あまり驚きはしませんでした。
建設業が不況になったとき、すでに世の中は不況の真っただ中にいたからです。
巷では、新卒採用を中止する会社も少なくありませんでした。
私としては、採用数削減の決定が出て、事後処理に頭を悩ませることになりました。
事務系の採用は人数が少なく、ほとんどがリファラル採用か自由応募でしたので止めればいいだけでした。技術系の採用については大学教授からの推薦で採用することがほとんどだったため、採用数削減についてお詫び行脚に向かわなければいけなかったからです。
「ご推薦いただくのはありがたいのですが、入社を確約はできません」
と伝えに行きました。
大学教授からすれば、推薦した学生は当社にほとんど入社できましたので、一枠確保できていたわけで、学生には「おれが言えば何とかなる!」と言えなくなったことに困惑しているようでした。
その年から、やっと「能力判断採用」ができるようになったといっても過言ではありません。
理系の大学からすれば、企業に推薦を出しても不採用となる学生が大勢出てしまい、大学教授の企業への影響力がどんどん少なくなっていったのもこの時期です。
リクナビなどの就職情報サイトも徐々に浸透し始めて、「自由応募」が主流になっていったのもこの時期からでした。
学生は、教授推薦に縛られずにたくさんの会社を見ることができるようになりましたが、その分就職活動にかかる時間が大幅に増えるという悪影響も出ました。
会社の採用担当としては、「このレベルの学生でも不採用になるのか」と、厳選採用の現実を肌で知ることになります。
以前ならばすんなりと採用となっていたレベルの学生でしたから。
不況の時に採用した学生は、その後会社で活躍人材となることが多い。
各社とも厳選採用をしているから、うちの会社には来なかったレベルの学生が入社して活躍したということも言えるでしょうが、私はそれよりも「入社時の働く覚悟の差」が、その後の活躍につながっていると思っています。
せっかく採用されたから、その会社へ恩返しをしなければという意識が学生の側にもあるからでしょう。
そして、厳選採用の時代は長く続きました。
次回へ続く。