みなさんには「忘れられない言葉」がありますか?
私にはあります。
人生のいろんな時期にあります。が、
中でも、おそらく思い出す回数でダントツNo.1なのがコレ、
「無理に寝なくていいんですよ」
です。
小学校のときに通っていた「岡本塾」。
老夫婦が営む小さな塾でしたが、中学受験で実績をあげる塾として、
雑誌などでもランキング上位によく掲載されていました。
少し脱線しますが、私は後にも先にも勉強したのはあのときだけ。
突如勝手に決めて臨んだ中学受験に向けて、毎日10時間以上勉強しました。
そんなわけで岡本塾には、小学校5年生の途中から受験まで1年半ほどお世話になりました。
あるとき、成績が伸び悩んでいた私に対して、
岡本塾のおばあちゃん先生(つまりは奥さんですな)が言いました。
「夜は寝るもんやと思ってへんか?」と。
一体何を言っているのだろう?
と、一瞬戸惑ったことをよく覚えています。
続けておばあちゃん先生は言いました。
「眠いときは寝たらええ。眠気が来んときは無理に寝る必要はない」
さらには、
「別に毎日寝る必要なんかないねんで」
まだまだ続きました。
「夜になったら寝るもんやと思い込んでるんやろ?誰が決めたんやそんなん」
どんどん続きました。
「みんなが寝るから寝るんか?なんで夜になったら寝るって決めてるんや?」
「人間みんな違うんやから他人の言うこと鵜呑みにしたらあかんで」
「私は起きてられるときは2日でも3日でも寝やんと起きてたよ」
「大丈夫。死なへん。限界になったら身体が強制終了して寝よるわ」
極めつけとして、最後の言葉に説得力がありました。
「早死にするとか言われたけどほれ、80歳超えてもこの通り元気や」
たしかに先生はめちゃくちゃ元気でした。
この件で私が受け取ったメッセージは、
『寝るな。無理をしろ。』
なんてものじゃなく、
『ちゃんと考えて、選択して行動しよう』
というものでした。
理由や意図、自分の意思もなく何かをしてしまってる。
そんな状態に陥っていた自分に私は驚きました。
知らず知らずのうちに、そうなっていたことに。
人に言われたからやる。
みんながそうしてるからする。
そうすると決まってるからする。
そんなんじゃなくて、
自分で考えてやる。
自分に必要なことをやる。
自分に合ったやり方でやる。
以来、そう心がけるようにました。
その後もいろんな時代に端緒はありますが、私がそんなふうになり、さらには今、こんなふうになっている(笑)ことの人生で最初の強烈なきっかけは、あの岡本先生の言葉だったのではないかと思っています。
私の人生に大きな影響を及ぼした言葉、
「無理に寝なくていいんですよ」
本当に大切な、忘れられない言葉を今日はご紹介しました。