キャリぷらスタッフブログ「全員正解」

キャリぷらスタッフのお仕事奮闘記。仕事は誰でも必ずできる!意識高くなくていいから仕事ができる社会人を目指します。

「眉毛おじさん」とは何者なのか?スタッフになるまでPart15 会社の中で「師匠」を作る

ごきげんよう

スタッフブログ木曜日担当の眉毛おじさんこと竹村です。

 

前回の続き。

会社にある様々な本を読む日が1週間続きました。

入社日に、K次長に連れられ社内の各部署に挨拶には行ったものの、もちろんそれだけでは顔と名前が一致するはずもありません。

そこで、ことある毎にK次長は各部署へ「お使い」に私を出しました。

「竹村君。この書類を営業の○○課長に持って行って」とか、「この写真を技術部の△△課長に持って行って」など。

お使いに行く前に、事前に座席表を見て把握し、書類などを届けていきました。

ほとんどの社員が、「あ、ありがと」くらいの挨拶。無言で受け取る社員もいました。

こういう対応は建設会社だからということもあったのでしょう。いいモノを作ることに命を懸けている人ばかりで総じて無口。愛想のいい対応などとは無縁でした。

強面(こわもて)の部長や課長が君臨し、怒鳴ることなどは少なかったと思いますが、威厳と威圧感で部署を率いていました。ある部署の課は「●●組」と社内で呼ばれるくらい、結束力の強いものがありました。

一瞬、これはヤバい世界に来たのかと思うほどでした。

ほどなく部署の歓迎会が開かれ、同じ部署の秘書の女性が私よりも4か月前に入社した新入社員だということがわかりました。彼女からつけられたあだ名は「ムラさん」。

「ムラさんも平成元年入社なんだから、元年組だね。同期会に入ろうよ」

との一言から、急遽同期会が開催され、晴れて平成元年入社の新入社員の一員として迎えられました。大学を卒業してから初めて、同期と呼べる仲間が生まれた瞬間でした。

その中に技術部勤務の社員がいて、その日から彼(Y君)は私の「師匠」になりました。

建設会社の仕事を理解するには力学の知識が必要です。高校時代、物理の定期テストで100点満点中8点を取った私は、早々に理系進学をあきらめていましたので、力学の数式を見てもちんぷんかんぷん。そこでY君に助けを求めたのです。

理系出身者は、往々にして難しい言葉を使いがち。しかしY君は私の力学に対する無知っぷりをよく理解していたので、初歩の初歩から難しい用語を使わず、私が理解するまで丁寧に説明してくれました。

その後、何度も何度も彼の席を訪れ、わからないところを一つ一つ訊きました。

数式を理解するのではなく、例えば「垂直の崖はなぜ崩れるのか。崩れないようにするにはどうしたらよいか」という現象の理由について理解していきました。

たびたび部署を訪れる私を見て、彼の上司も付き合って教えてくれるようになりました。

そうして、土木工学、構造力学土質力学、地質学などの基礎知識を身に着けました。

その後、採用担当として理系学生と渡り合えるほどの会話ができるようになったのは彼のおかげです。

私がラッキーだったのは、入社早々に「師匠」を持つことができたこと。

今ではメンターとかブラザー制度とか、「教える」ことを制度化する企業が多くなりました。しかし、企業では自ら学ぶ場を求めていくと答えてくれる人が必ずいて、そのほうが身につくと私は今でも思っています。受け身にならない重要さを強く感じています。

さて、その知識を得て、いよいよ「現場デビュー」の日を迎えました。

続きは次回。