スタッフブログ木曜日担当の眉毛おじさんこと竹村です。
9月に入りましたので久しぶりに眉毛おじさんの人事奮闘記、前々々回の続きです。
今、話題のテレビドラマ、「半沢直樹」では、たびたび人事部の幹部が現れ、あたかも人事部に人事権が集中しているような印象を与えていますが、多くの会社の実態とは違う気がします。
人事権があるというより、「人事調整」が主な仕事だからです。
人を一人動かすとなると、玉突きのようにほかの社員も動かさなければいけなくなります。その調整が主な仕事です。
ドラマの中で「事実だなあ」と感じるところは、人事部という部署は、他部署から一歩距離を置かれる部署であるということでしょうか。
一般の社員から見ると、人事部が何をしている部署なのかわかりづらく、社員の個人情報を知られているのではないかという不安があるからでしょう。
実際、人事部門は、社員の個人情報が一元管理されています。個人情報保護法に基づき、取扱責任者や管理者を置き、個人情報にアクセスできる人間を制限し、厳重に管理している会社が多いと思います。
私が思う人事部員の最重要な資質は、「口が堅い」こと。
周りの社員で噂になっていても、人事からは絶対に口を開かないことが何より大切です。
私は上司から、口の堅さの重要性について言われたことはありませんでした。
ある時、上司のK次長から、
「竹村君、この成績表を社員の個人票に転記してくれるかな?」
と言われました。
それまで社員の成績査定に関わる業務は、すべてK次長がやっていました。私はそれを横目に見ながら、大変な仕事だなと思っていた程度でした。
人事評価は社内でも秘匿性が高いものでした。今の時代のように成果主義や評価の透明性が強く求められていなかったので、社員全員の評価を知る人間は、経営幹部と社長室の一部しかいませんでした。
K次長は、私の「口の堅さ」を測っていたのでしょう。長い時間をかけて、行動や言動を見て、「信頼できる」と思い、その仕事を任せてくれました。
そして、その成績表を見たときに感じたことは、
「あちらも立てて、こちらも立てる」こと。
最大限の公平性をもって成績査定をしているということ。
公平と平等は違います。
能力や結果に応じた成績がついているかどうか。それが公平性です。
人事の調整業務の大変さを垣間見た瞬間でした。
次回に続く。