スタッフブログ木曜日担当の眉毛おじさんこと竹村です。
8月。長かった梅雨も明け、世の中は夏休みの過ごし方の話題で持ちきりです。
今年は新型コロナウイルスの影響で、お盆休みの帰省について世間では議論がかまびすしく展開されていますね。
今回は話題を変えて、今から30数年前、平成が始まったころの「休み事情」についてお話ししようと思います。
皆さんは「半ドン」という言葉をご存知でしょうか。
この言葉を知っている、知らないで世代がわかります。
答えを先に話すと、「半ドン」とは「午後は休み(主に土曜日)」のことです。
「土曜日は半ドンかい?」といった使われ方をしていました。
半ドンの「ドン」とは、オランダ語の「ゾンダーグ」からなまった「ドンタク」が語源で、日曜日という意味があります。ゴールデンウィークに行われる「博多どんたく」が有名ですね。
さて、昭和時代の終わりまで、土曜日は半ドンの会社がかなりありました。
昭和63年、労働基準法が改正され、法定労働時間が「48時間/週」だったものが、現在の「40時間/週」まで、段階的に削減されていきました。それから週休2日制の会社が増えていったのです。
休日休暇などの福利厚生が厚くなる理由の一つは、「売り手市場」だったということもあります。
昭和の終わりから平成の初頭にかけて起こった「バブル景気」により、企業の人手不足感が強まり、人材確保のために「待遇面の良さ」で企業が競うようになったのです。
平成元年、都市銀行が土日休みの週休2日になり、他業界も追随していったのを覚えています。
ところで、土曜日の「半ドン」ですが、今思い返すと仕事をするには良かった。
平日は電話対応に追われて、集中しなければできない仕事がなかなか捗りません。
土曜日はほとんど電話がかかってこないので、一気に集中して仕事ができる。しかも午前中で終わらせるように、効率的に仕事をしようとする。
もう一つ良かった点は、スーツを着てこなくてよかったこと。
来客応対をすることがないので、ノーネクタイで出勤しました。
集中してやらなければならない仕事がない日は、他部署に行って「会話」を楽しみました。のどかな雰囲気が漂っていた「半ドン」の土曜日。
完全週休2日制になってから、企業からそういう「余裕」がなくなった気がします。
IT化が進んで、仕事が効率的になるどころか、効率化が優先されて余裕がなくなり仕事がどんどん忙しくなっている。
法定労働時間が増えることはありませんし、「半ドン」が復活することもありません。
今の時代、自ら余裕を持つ努力をしなければいけないのかも。せめて心の余裕を持つようにしたいと思っています。