スタッフブログ木曜日担当の眉毛おじさんこと竹村です。
前回の続き。
社長室の仕事、「会議運営」で、特に気を使ったのが「取締役会」でした。
私の会社は当時社員数250人の中堅企業でしたが、取締役、監査役を合わせた役員数は18人もいました。
取締役会は原則月1回。
取締役会規則で定められた事項について、決議事項や定例の報告事項などを議題として会議を開催します。
とにかく気を遣う会議でした。
何に一番気を使ったかというと、取締役会の議長であり、会社の創業者であり、親会社の会長でもある代表取締役会長が出席するからです。
なにせ会長は従業員数一万人を超える親会社のトップ。
親会社の社員でさえ、めったにお目にかかれない人です。
マスコミや社員、得意先の前では穏やかな笑顔を浮かべている会長でしたが、取締役会に出席しているときの会長は、まさに「君子豹変」。
鋭い眼光と的を射た質問が会長から発せられます。社長以下、普段は社員に対し指示命令している役員も、冷や汗をかきながら会長の質問に答弁している姿に、「会社経営者」というものの姿を垣間見た気がしました。
池井戸潤の小説の中に出てくるような取締役会の小型版がそこでは繰り広げられていました。
会長が醸し出す「経営者」としての威厳はどこから来ているのか、取締役会があるたびに考えていました。
ある時、それまでの会長の発言から気づいたことがありました。
「会長は、うちの会社の誰よりも会社を愛している」
ということでした。
わが子か、我が子以上に愛情を注ぐ存在。それが会長にとって会社だと気づいたのです。
自らが創業した会社だからかもしれませんが、それこそ目の中に入れてもいたくないという印象を強く持ちました。
それから自問自答。私は将来、会長のように会社を愛せるのだろうかと。
新入社員に毛が生えたくらいの私に、数多く示唆を与えてくれたのが取締役会でした。
次回に続く。