スタッフブログ木曜日担当の眉毛おじさんこと竹村です。
前回の続き。
入社しての初仕事、「社内報作成補助」がスタートしました。
K次長から依頼される仕事の一つ一つが初めての仕事。
カメラマンが撮影した写真のポジフィルムをビューワーに広げ、ルーペで一つ一つ確認し記事に合わせた写真を選択する作業。
ポジフィルムを焼き増しするためにダーマトグラフで選択した写真に目印をつける作業。
選択したポジフィルムを焼き増しするためにKodakのプロラボに足を運んで指示する作業。
現場で録音した現場所長インタビューをカセットデンスケで聞きながらテープ起こしをし、300字詰め原稿用紙に手書きで記入する作業。
K次長が作成した原稿の抜け、漏れ、誤字脱字をチェックする作業。
色見本を選びながら社内報の表紙の色を決める作業。
チェックした原稿をデザイナーに渡し、出来上がったレイアウトをチェックする作業。
写植屋から上がってきた写植をデザイナーが配置した版下の写しの誤字脱字やレイアウトの違和感をチェックする作業。
印刷業者から上がってきた第1校をチェックし、赤を入れる作業。
修正した第1校を印刷業者に渡し、出来上がった第2校をチェックする作業。
校了した版下を印刷業者に渡す作業。
出来上がってきた社内報を社内各部署に配布し、支店に郵送手続きをする作業。
これで一連の業務が終了しました。
今までの話は、若い人、出版や印刷にかかわったことがない人にはちんぷんかんぷんでしょう。
パソコンがない時代、1冊の書籍を作るには、これだけの工程がかかっていました。
専門用語を簡単に説明すると、
ポジフィルム=フィルム(銀塩)カメラ用の色が反転しないフィルム
ビューワー=ライトボックスともいう。ポジフィルムを見るための照明台
ルーペ=ポジフィルムを拡大してみるための拡大鏡
ダーマトグラフ=プラスチックやビニールに書ける色鉛筆
Kodakプロラボ=世界最大の写真用品メーカーだったKodakが運営していたプロ用プリント工房
写植=文字を印画紙に焼き付けること
ということです。
今の印刷工程は、
デジカメで写真撮影→DTPソフト(イラストレーターなど)でレイアウト・文章作成→データで印刷業者に入稿→完成
と、パソコンの登場により省人化、省力化が進んで、専門知識が少なくても小冊子やチラシならば誰でもできる時代になりました。
なくなった職業もあります。
プロラボ=フィルムカメラのフィルムの色調整や修正をしてくれましたが、今はすでにほとんど姿を消しています。
写植屋=ワープロの普及、DTP(デスクトップパブリッシング)の進展により、印刷工程で不必要となり姿を消しました。
たかだか30年という年月の間に、職業自体が消滅したものがあります。
IT化は、革命と呼ばれるくらい時代を変化させました。
今、100年続いている企業も、創業時の事業のままで存続している企業はほとんどありません。写真用品の会社が、化学や薬品業界に進出している事例もあります。
企業が長年存続するということはものすごく大変なんです。時代の変化を見据えて、自らの業態を変えていかなければいけない。
就活している学生の中には、「あの企業は安定しているから」という理由でその企業に入りたいと思う人もいます。企業からすると、「必死になって安定させている」のが実情ですから、「安定している」という表面しか見ていない学生には魅力を感じないでしょう。
企業は創立した時から、「どうやってこの会社を存続させようか」が最大の命題です。
学生は、「安定している」という状態ではなく、「私が今後も安定させる」という使命感を持って企業を見てもらいたいと願っています。
さて、社内報づくりは一段落しましたが、次号発行のために、現場写真撮影の日々が続きました。
現在でも話題になる建築物、土木構造物の建設中の姿をたくさん見てきました。
これが、その後の人事採用の仕事に活きていきました。
次回に続く。